この間、あるクリニックに行ったところ、待合室で、カウンター越しの医療事務員さんが、電子カルテシステムの会社のサポートセンターに電話をかけていたので、耳をそばだてていました。何でも、新しいアプリケーションソフトにバージョンアップしたら、画像が滅茶苦茶になると。後で、院長先生にお尋ねしたところ「正常に画面が表示されないので、ロールバック処理(従前のアプリケーションソフトに戻す)を行いました」とのことでした。
お忙しいんでしょうね。そんな方々に、何かを申し上げる立場に本来ないのですが(いち患者ですので)ここで、敢えて申し上げます。「ソフトウェアやオペレーティングシステムは常に更新されて、安全性を高めたり、新機能を加えるものだ」と言うことを、まずITエンジニアとしてお耳に入れておきます。
まず、プログラムは人力で開発します。手でぱちぱちと打鍵して、ソフトウェアを作るんです。その際に「コンパイラ」という、ソフトを作るソフトを通じて、人間様が理解できる言葉から、機械が理解できる言葉に置き換えるんです。その作業のことを「コンパイル」というのです。実行可能なプログラムを作ります。
特に、Windowsの場合、通常、OSがバージョンアップすると、連れて Visual C# などのコンパイラがバージョンアップされます。コンパイラがバージョンアップするということは、つまり、それで作られたアプリケーションソフトも新しくしないといけません。
そういう訳で、オペレーティングシステム→コンパイラ→それに依存して作られるソフト、の順番で新しくなり、ネットワークに繋ぎながらバージョンアップを図る必要が生じます。セキュリティソフトもそうです。
そういった3種類のものを、オンラインバージョンアップするために、インターネットに繋ぐ必要があります。容量がでかいので、常時接続でです。もし、消費期限切れのオペレーティングシステムをお使いの場合、オペレーティングシステムのアップデートが供給されなくなるどころか、アプリケーションソフトが誤動作を引き起こすか、つるぎ町立半田病院の如く、マルウエア感染を起こして、患者情報が悪意のある第三者に漏れる危険性が生じます。それはとても危険なことです。
このように、オペレーティングシステムのバージョンが上がると、連れてコンパイラも新しくなるために、市販の電子カルテシステムのプログラムも新しく再コンパイルする必要があるので、例えば昔医療情報販社から買った電子カルテシステムで、OSが最新のものでないと、最新のソフトウェアが正常動作出来ないんです。
情報セキュリティ月間だからと言って申し上げるわけではありませんが、システム導入時にプレインストールされている各種ソフトウェアの放置しっぱなしが、ダメ、ゼッタイ! なんですよ。
脆弱性(安全性に欠ける部分)を放置していてもいいんですが、その分危険が生じますよ、それはとてもリスキーです。
エライコッチャとなる前に、先手を打つ必要があるんです。悪意のある第三者の手に、個人情報が盗まれないためにも、オペレーティングシステムと、アプリケーションソフト両方のアップデートが必要なんです。また、繋ぎっぱなしのネットワークには危険がつきものでして、セキュリティソフトもバージョンアップする必要が生じます。それも入れていないなんてもってのほかです。
おカネがかかる場合(OSそのものが主役交代する場合)と、おカネがかからない場合の、二通りの対策がありますので「ソフトウェアは繋ぎながら新しくする」ことをお耳に入れておきます。
ではでは(・∀・)ノ
パソコンのお医者さん OSとアプリは常に最新で ネットウイングス 田所憲雄 拝
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