パソコンには、なぜ冷却ファンがあるのか(NetwingsJ)

(秋葉原・ドスパラさんの画像です(上記)) https://www.dospara.co.jp/

ハードウェアの専門家から見ますと、どんなPCでも、負荷がかかれば半導体が発熱しますので、ファンの風切り音が目立つ結果になります(うちのiiyamaのノートでもそうです)通常時には、ファンの風切り音は目立たないように設計されていますが、性能の限度一杯に使うとそうなります。でも、それが原因でPCのOSが落ちる、ということは滅多にないんで、ご安心ください(・∀・)ノ


 パソコンを使いすぎて発熱するのは何でか、というと、中にプリント基板(マザーボード)が入っていて、ほとんどが銅の配線で様々な部品がくっついています。そこにある銅電子が、何メガヘルツ、何ギガヘルツというオーダーの高速度(≒高周波)で行き来しますので、電子レンジと同じような原理で、コンピューターってどうしても発熱するのです。


また「半導体の熱暴走」という言葉があります。これはどういう状態かというと、例えばCPUにも「動作可能温度はこれ」という規格が決まっています。おおよそ、約100℃で回路がやられます。または、オーバークロックのし過ぎで、銅線の銅電子が回路を外れて、プリント基板(マザーボード)から銅電子が逸脱する場合もあるのです。

それはともかく、そこに、回路全体の様々な箇所から銅電子が集中するので、どうしても発熱します。この場合、充分に冷却ファンが効いていれば良いのですが、充分でないと、まれに半導体の熱暴走が起きます。


では、この耳慣れない「半導体の熱暴走」を、これから解説して行きます。

半導体の熱暴走で、半導体の表面に(中のシリコンなどが溶けて)「汗」をかいたら。そういう半導体の状態は、すなわち、半導体の「死」を意味します。


なので、グラフィックボード・ビデオカードなどにも、過剰なまでの冷却ファンがあり、CPUのヒートシンクがでかいのも、半導体の熱暴走を防止するために、半導体を壊さないように冷却ファンが付いています。ハイスペックパソコンの、過剰なまでの冷却ファン、あれは飾りではありません。


CPUのデスクトップ版(特に、ハイスペックパソコン)では、過剰なまでの、水冷式、空冷式のヒートシンクの大きなものが、半導体の熱暴走を防ぐために付いているのです。GPUもそうですね。ノートPCでも、どんなPCでも、冷却ファンとCPUの間に、熱伝導率が良い高圧ガスを閉じ込めた、銅色のうどんのような管が付いています。なお、ヒートシンクのやり方は、いろいろな方法があります。

こういう、すごい放熱板と、冷却ファンが、ニコイチになった部品を、スケルトンのデスクトップパソコンや、パソコンの中身を開けた場合に、ご覧になったかと思います。


初期の日本のPCでは(80年代ごろのPCでは)N5200でも、PC-9801でも、このような空冷ファンがありませんでした。そういう設計思想ではありませんでした。その代わりに、部屋全体を冷房などで冷やす、ということも、学校や職場などで行われる場合もありました。


そういうPCでも、開口部を全部塞ぐと、まれに設計限度を超えて熱がこもって、PCそのものを静かに壊す、脳死状態になる、ということも、まれにありました。僕自身、パナソニックのMSX2のデスクトップパソコンで、フロッピーディスクドライブがブーブーとうるさかったので、音を防ぐために座布団を上に敷いていたら、いつの間にか「すん……」という風に脳死状態になり、メーカー修理に出すと、後日「パナソニック始まって以来の複数の半導体の熱暴走による故障です」と電器店さんに言われて、そのまま廃棄したことがありました。こういう体験から、僕は、出来るだけパソコンの開口部を塞がないようにしているのです。


電源投入時からすぐに、パソコンの銅電子が、回路の中で、駆け巡り始めます。複数のハードウェアやソフトウェアを動かすと、前述のように発熱します。重たい(負荷の高い)状態では、パソコンのCPUには、CPU自身の温度を測るようなシステムになっている場合があります。CPU自身の温度、その周囲の回路の温度を常にモニターして、OSに反映し、中には温度を表示させる場合があります。


なので、飾りじゃないのよ冷却ファンは、ということなんです。あれはデザインではなく、本来、半導体の熱暴走を防ぐためについているのです。

最近では、スケルトン状態の、半分パソコンの横が透明になって中身が見えるものがあります。そして、CPUクーラーの中には、現在のCPU温度を表示するものもあり、デジタル表示されています。


ではでは(・∀・)ノ

パソコンのお医者さん 半導体にもちょっと詳しい ネットウイングス 代表 田所憲雄 拝

ネットウイングス

どうも(・∀・)ノ 兵庫県尼崎市のネットウイングスです。パソコンのお医者さんとして、「インターネットで愉しむ」と同時に「情報技術者同士の緩やかな連帯感の醸成」にもこだわっています。

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