思うんです。エンドユーザーさんの皆さんは、情報機器がどんな言語でなんのハードウェアで出来ているのか、まるで興味がないんです。本当に内部やからくりにまで理解と興味があるのは、情報技術者だけなんです。
なので、そんな素人な人たちに「イベントドリブン方式がどうのこうの」とか「おれはサーバールームの床で眠った経験がある」なんてお話しする必要は一切ないんです。
本物のお医者さんにかかって、もらうお薬。薬剤の効き目、効能だけが知りたいだけなんですよ。例えば、この薬剤の組成がこうなっていて、分子式がこのようになっていて、というのは、実際に薬剤プラントでお薬をお作りになっている化学工業エンジニア、あるいは、薬学を勉強している人たちだけでいいんですよ。
同じように、情報技術者を志す人や、マニアックな人たちならば、「裏側でこういう仕組みで動いていてね?」という話をされると「ふむふむ」と聞き耳を立てるものですが、一般のエンドユーザーの皆さんは、そんなの関係ねーんです。
ATMに行って、カードを挿して、暗証番号と出金金額を入れたら、おカネが出てくる。それだけでいいんです。サーバーサイドでなんの言語のどのOSで出来ていようが、そんなの関係ねーんです。特に、一般ユーザーはね。
クルマを運転するとき、あんまり「ギア比」なんて気にしないでしょ? 公道に出られる運転免許証と、それなりの運転技能さえあれば、メカの仕組みを知らなくても、それなりに動かせる。運転できます。「変速比」や「ギア比」を知っておくべきは、クルマのメカニック担当の方だけでいいんです。一般ユーザーは、アクセルを踏めば加速し、ブレーキを踏めば減速する、ぐらいでいいんです。
それと同じように、IT技術者がその製品の説明で忘れがちなのは、どうやって作ったのか、その高度さを吹聴する必要はなく、むしろ、エンドユーザーを意識して「これは、何に効くプログラムなのか」「これは、何の目的で使うアプリなのか」を重要視しないと、素人さん相手に、チンプンカンプンな説明に終始してしまいます。よけいな能書きはいらんのです。パソコンマニアックな相手なら別ですけどもね。そういうことを、映画「スティーブ・ジョブズ」を観て感じた次第です。
ではでは(・∀・)ノ
パソコンのお医者さん 「IT素人を説得する技術」という本をお取り寄せ中 ネットウイングス 代表 田所憲雄 拝
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